ABU SVANGSTA 444A


レコードの後60年代半ばからの製品はグリーンボディーの444Aになる。シリアル087100で、71年製であることが解ります。以前の444と変わった点は、なんといってもスプールとスプール軸。両方とも極端に簡素化されています。でも、プッシュボタンワンタッチ・リリースの点はかわらない。

モデルナンバーのプレートは、ぴっかぴかイメージが結構かっこよいと思われ気味。

で、問題のスプール。何が変わったかというと、スチール製から樹脂製に変わったこと。これで相当の軽量化が実現できています。上の写真は、スペアスプールとスプールケース。インスプールモデルのスピニングリールの良い点は、比較的スプールエッジに傷が付きにくい点。周囲に常にカップがという重量的な不利も、リールの耐久性という面ではプラスに働いているってことね。
スプール軸の簡素化は、旧モデルでは軸にピンを刺す構造になっていたところが、このモデルは、プレスで最初から突起が作られている点。これで、パーツが一つ減るって訳。

 

リアドラグのつまみも右のスチール製から、樹脂製のモノに変わっている。これも軽量化に一役買っている。この樹脂製のドラグつまみは、つい最近のモデルまで使われていましたね。

ハンドルは、特に変更はされていません。つまみの中心のネジがじゃっかん変わった程度だすなぁ。

見た目で解らない部分のバージョンアップはこのサイドプレートで、以前の鋳物製から軽合金製に変わっているが、サイズは変わっていない。

内部構造は、まったく444と同じでしょ。ABUが、20年以上基本設計を変えずに作っているうちに、極東の島国では新しい構造のスピニングリールが作られていた訳ね。これが、最終的に没落に繋がるわけ。

この段階でベールは、今風のポジションになっています。実用的にはこの段階で完全に仕上がっているわけですね。