HEDDON HERITAGE 35


美しい川のケースに入った、HEDDON HERITAGE 35 MARK III を性懲りもなく手に入れた。以前、30を手に入れたときに解説しましたが、HEDDONはフリースプールリールは自前で作らず、みんなOEMで作らせて販売しておりました。このリールはスウェーデンのビクトリー社製です。このモデルを販売した後、ABUに吸収されます。

もちろん、このヘリテージも当然レベルワインダーがフリーレバーと共に前に倒れます。もちろんキャスト時には位置が固定され、キャストの抵抗にならないように倒れたときの先端が広くなるよう考えられています。チョー素敵です。

このリールのサイズは、基本的にABUの2500Cと5000の中間くらいのサイズです。スプールも意外に軽いから、回転もイイし使いやすいサイズってところであるんだけれど、左プレートの飾りパーツが全部プラッチックでイマイチ品がないね。

で、ここからが本題。ヘリテージは、30が普通のドラッグ付きモデル、35がダイレクトドライブモデルになっています。ね、ドラッグホイールがないでしょう。
なぜ、こんな小さなメーカーがABUに吸収されたかというのが、ここにあるワケね!後にABUのアンバサダーシリーズで10年にわたって作られ続けた、D(フリースプール・ダイレクトドライブ)モデルの基礎となった機構が、実は他社のパテントだったってワケね。だから、これが欲しくてABUが買収したってワケね。
それでも、各パーツの完成度や加工精度はあんまり高くなくて、これと同じモノをABUが作ったら、どうだっただろうという思いが、ハンドルを回すたびに思うのね。

そして、特徴的なのはこの遠心ブレーキ。ABUやシェークスピアでは、スプールにクロスした細軸に通した円筒形のグラスファイバーのブレーキを使用していますが、これは固定されたブレーキが特徴です。遠心力により、同じくグラスファイバー製のブレーキの一部が飛び出す仕掛けになってます。イカシてるけどイマイチな工夫なり。