人気のトップ ウォーター向けのロッドの特徴とメーカ毎の違い


風の強い日曜の午後、天井にロッドを押し当てて考えた。人気のロッドはどうなのかと?
一般的に「スローテーパー」ベニョベニョだと思われているウォーター向けのロッドは、本当はどういう物かたぶん見たことがある人は、あまり多くはないでしょう。
まずは、比較的ファーストテーパー気味にティップセクションが曲がるタイプのロッドをご紹介しましょう。ロッドパワーや力に微妙な掛け具合で多少違いはあるにしても、まあこんな処から曲がるんだということが見て取れるかと思います。

フィリップソンの3Mエポナイトブランクです。フィリップソンのルアーウェイト表示では、3/8ozになるタイプです。ティップセクションは、力を掛けていくとリニアに曲がっていきます。こういう竿は誰が投げても力が乗りやすい訳です。

フェンウィックC-62です。70年代後半のロッドで、ブランク自体はたぶんランカースティック2000のFC-60と同じ物です。これもティップセクションが、ぐーっと曲がってきて、カーブがバットセクションに入る前にぴたっと止まるようデザインされています。上のフィリップソンと違い、バットセクションのテーパーを変えることでこれを実現しています。

フェンウィックFC-60です。このロッドは、60年代前半のロッドで、ブランク自体は3Mを使っていた頃の物で、フィリップソンの親戚筋と言うところでしょうか?ですが、テーパーデザインやパワーはC-62と同じになっています。グリップの重量のせいか構成パーツのせいか、ブランク部分はC-62より重く感じます。


次は、スローテーパーの秀作を紹介します。全体的にこれらの方がキャスティングに技術を要しますが、ルアーのスピードを上げられませんから、飛んでいるルアーのコントロールは楽です。

ダイコー ナイアードの初期型でブランクが厚かったか頃のモデルです。見ての通りティップからバットまでリニアに曲がっていきます。これですと、細皆カーボンロッドですが、結構重いルアーまで投げられてしまうわけです。グリップを富士からフェザーウェイトに変えてあります。この当時は、まだ、スミスのカタログにフェザーウェイトが出ていまして、フェルールもフェザーウェイトの本物で仕上げたと記憶しています。

ブロウニングのスローテーパーは、1pcでも2pcでも同じく曲がるのが特徴です。これも端から端までリニアに曲がっていきますが、ブロウニングの特徴である強いバットがあるところからビタッと止まります。このロッドを評価するのはとにもかくにもこのところにある訳なんです。こういうカーブを作るために、フェザーウェイトのフェルールが一役買っています。

ヘドンのモノキャストは、この後の時代に出てくるコントロールド フレックス アクションシリーズのロッドの元になったテーパーデザインです。ガイドの数が長さの割に少ないので、天井に当てたとき綺麗なカーブになりませんが、やはりズルズルと最後まで曲がってくる、所謂ベナベナアクションに近いモノです。タバコグラスの最後期のモデルであることを考えれば、バットにパワー不足でも許すしかありませんね。

ヘドンのコントロールド フレックス アクション Mark-IVです。道楽好きの皆さんは、だいたい知っていらっしゃるところでしょう。私が知って、持っているロッドの中で、一番美しく丸い円を描く真のスローテーパーロッドです。たった5つのアーチタイプのミルドラムとこれもフェザーウェイトのフェルールがこのカーブを実現しています。数が多いせいで、ヘドンのロッドはなかなか評価が高くありませんが、こういうロッドが手に入りやすいと言うことをもっと歓迎して、一度使ってみることをおすすめします。まあ、大きいのが掛かってしまうと大変なんですが・・・